2016年9月15日木曜日

迷走するコンセプト:HotToys「ウォーマシン Mk2 AoU」細部は凄いが全体としてどうか。購入の際の注意点など

HotToysは細部は凄いが全体としてどうなのか。購入して感じたのは、「デザインが迷走している」、ということ。そして、「発売1年以上経過したものは初期不良対応もしてくれない」ということも教訓となった。




「アイアンマン」のスーツの見た目は好きだ。小さいころからロボットとか(人の乗り込むもの、モビルスーツとかも含め)、そういう強い機械みたいなのが好きだった。でも何故かガンダム系のデザインは好きじゃなくて、仮面ライダーともちょっと違って、「ロボコップ」とか「特捜ロボ ジャンパーソン」とか「特捜エクシードラフト」とか「電脳警察サイバーコップ」の方が好きだった。「スター・ウォーズ」に出てくるロボットも好きだけど、でもなんだかちょっと違った。そんな中で出てきた「アイアンマン」映画シリーズのスーツのデザインはグッときた。

もしかしたらホントはデザインではなくて、「自作した装備(を着ると強い)」みたいな設定が好きなのかもしれないが。形としてもホントに中に人が入れる形なのか怪しいし、CGで作られた動きは(特に1作目とか)不自然だし、(特に1作目と2作目は)映画として面白くない。でも画面で活躍する時間は少なくともスーツそのものやその装着シーンは楽しかった。携帯用に機能を限ったスーツとか、部品が飛んできて装着できるスーツとか。スーツの中にいろいろな武器が内蔵されていたり、結局あんまり使えないスーツとかもあったりするのも面白い。

それに、不安からスーツなしではパニックになってしまうという3作目はたくさんのガジェットをもって出歩かないとなんとなく不安になる自分にも重なって見えた(自分はパニックは起こらないが)。



そんなこんなで「アイアンマン」シリーズは好きなのだが、「おもちゃ」も大好きであることはこれまでもつらつらと書いてきた通り

何年も前からHotToysの出しているアイアンマンとかウォーマシンとかを買いたいと思っていたが、ようやく少し安くなっていたものを手に入れることができたので感想を。




結論からいうと、コンセプトの落としどころが中途半端過ぎる

商品のコンセプトとして疑問を持ったのは、これは可動しない「スタチュー」以上の存在ではあるが、ガチャガチャと「遊ぶおもちゃ」以下のものであるということ。

「遊ぶ」ことを念頭に置いたのであれば、わざわざ関節を引っ張ったり、胴や臀部をスイッチを押して動かさずともポーズをつけれるべきだし、電飾も以前のHotToysがそうであったように外部にスイッチをつけるべきだ。(あと最近のHotToysの傾向として、以前あったような、装備がせり出すようなギミックは排除されてパーツ付け替えばかりが多用されているようであるのも疑問。)





これには肩や腕から武器が出てくるギミックがあった。

ではリアルさと可動性を被写体に「おも写」する人たちや、好きなポーズにして飾る人たちをターゲットにしたデザインなのかと考えると、これも違うと思うのだ。リアルな顔や、細部にこだわった造形はまるで映画の中から小さい人が飛び出してきたよう…ではあるのだが、そう思い込むためには/そう(写真を)見る者に思い込ませるためには自然なポージングが欠かせない。どうせ顔を似せるんだったら可動にももっと力を入れるべきであった。もちろん、その制約の中でどれだけリアルなポージングを出すのかが楽しい人もいると思うが。




いくらたくさん面倒な可動部分が存在しているとはいえ、実際には可動範囲は非常に狭く、思ったような(劇中の)ポージングにするのは無理だ。指が稼働する手のパーツは素晴らしいが、足首の可動性は低く、少しでも股を開いた状態にすれば足の裏の接地面が小さくなり、自立できなくなるのもポージングして飾ることを考えると(いくらサポート用のスタンドがあったとしても)残念な限りである。さらに、ポージングさせて飾りっぱなしの人をターゲットにするのであれば、電飾にはもっと別の仕組みを発展させるべきだと考える(足の裏から外部電源をどうにか供給するとか、スマホから電飾ON/OFFコントロールとか)。




かと思えば、ドン・チードルの顔をうまくとらえたヘッド(ヘッドは二つ付いており、片方は電飾が入っている、もう片方はこのヘッド)は、磁石により簡単にマスク部分をはずして(不安定ながらも)マスクを上げた様子を再現できる。これはどちらかといえば「遊ぶ」ためのギミックといえる。




各所に引き出し式の関節が付いてはいるものの、おなかの関節を引き出してもほとんど可動性には影響がなさそうだし、そもそも全体のバランスが崩れてしまっては、リアルさにこだわった造形など意味をなさない。ただし、臀部の引き出しはまだ意味をなしており、骨盤前部分を中心にして前にケツがせり出すので足がより可動するようになるほか、意外と引き出しても全体のバランスに違和感を生じさせない(後ろから見たら話は別だが)。




なぜこのようなことになったのか考えるとまず思い当たるのはリアリティーと可動性とのバランスである。HotToysはリアリティーの重視にまず重きを置いているのだろう。そしてその次に可動。そのために、リアリティーを崩壊させてまで(例えば関節周りの部品を映画作中よりも削ったりすることにより)可動させることはHotToysのバランス感覚では「ノー」なのではないか。とはいえ、結局リアリティーのあるポーズが取れなくてはただの木偶の坊でしかない。それに身体比率がおかしくなる腹が伸びるへんちくりんな可動システムを取り入れていることもただ可笑しいだけだ。そもそも無理な動きを可能にさせるCGで描かれたキャラクターを「リアルに」再現すること無理なのだからもっと思い切って稼働できるようにすればいいのに、と思うのだが。




例えば千値練がやっているように、関節が曲がれば通常触れ合う個所が内側に引っ込むことにより可動域を広げるとか。もっと「動き」も考慮して作ってもらいたいと思う。




結果として、最高級の造形を持ちながらも、アメリカの6インチのアクションフィギュアのように、中途半端な稼働しか持たないものとなってしまっている。しかも悪いことに、アメリカのアクションフィギュアのように「ガシガシ」と遊ぶことができない脆さと値段の高さを持った製品となっているのだ。






少なくとも「遊び」の点でHotToysよりも先を行くのはやはり日本の、より小さなサイズのフィギュアである(写真にはアメリカのおもちゃも混ざっている)。その可動性の高さも、稼働に手間がかからない部分も日本のおもちゃの方が優れている。稼働した際にも世界観が崩壊しない(関節部分が露見しない)という点ではHotToysも日本のおもちゃも似たり寄ったりだと思うが、HotToysの用いている可動部分の構造は日本のおもちゃ会社も真似すべきところは多いと思う(腹が伸びる構造や臀部の出る構造、腰から垂れて足の付け根を隠しているフラップ部分を2関節構造にしているところとか)。




(投稿内の写真のフィギュアはすべて自立させたもので、支えなどは使用していない。座っている写真は別だが。)


ただ、以前のおもちゃ投稿でも記したようにこれまでの日本のおもちゃはリアリティーや身体の比率バランスなどといったことは無縁であり、その点HotToysを勝るものはなかったと言えよう。また、サイズ的に小さいものでは限界も多いだろう。とはいえ、それも変わりつつあるようだ。






良い点

・ダイキャストでずっしりずしずしヘヴィーメタル
・大きくて迫力ある
・造形は細部にこだわっている
・顔の造形はそれだけでも価値がある
・指が全部動くのはいい

悪い点

・自由にポージングできないで不満
・その他上に述べたデザイン的な中途半端さ
・初期不良…(左ひざの上パーツが「カチカチ」と固定されないためポージングが維持できない。右ひざはカチカチなる。右手小指第一関節のみ動かない。)





上リンクが今回のもの『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』 1/6スケールフィギュア ウォーマシン・マーク2。下に挙げる似たようだが違うものもあるので注意。






同じマーク2でもこの「アイアンマン3」版よりも今回購入の「エイジ・オブ・ウルトロン」版の方が関節部が進化しているようであるし、ドン・チードルの顔も「3」にはつかないが「エイジ・オブ」にはついてくる。カラーリングも微妙に違う。パッと見では胸のリアクターの周りが赤(「3」版)か白(「エイジ・オブ」版)かで見分けることが可能。





こちらはアイアン・パトリオット。ドン・チードル顔もついてくるカラバリ。関節に関しては知らないが。

なお、「アイアンマン2」に登場したウォーマシン・マーク1に関しては昔出たものと、新たに今年ダイキャスト版となって出てくるものの2種類存在する。





昔の。





新しいほう、今年10月発売予定。


そして「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」に登場したウォーマシン・マーク3。





こちらは今年12月発売予定。「エイジ・オブ」版からどれだけ進化を遂げているのかは気になるところ。






なお、今回のモノに限らずHotToys製品購入時の注意点として、「発売から1年以上経過したものは部品交換ができない」ということを覚えておいてもらいたい。古いHotToys製品が安く販売されているのもうなずける。今回上記初期不良点が見られたので、HotToysカスタマーサポート(海外での購入だったのでHotToysジャパンではなく香港のカスタマーサポート)に連絡したが、「発売から1年以上経過した商品であり、工場にすでに交換パーツがない」とのことだった。

「We apologize that we cannot provide replacement in this case.」で終わり。不良品を販売しておきながらそれはないだろうと思い、せめて足部品の分解の仕方を教えてくれとメールしたが、返事すら返ってこない。せめて初期不良確定したら製品を安く購入できるバウチャーでもくれればHotToysに対する悪いイメージも持たないで済むだろうに。多分今後よっぽど素敵な製品がでるかカスタマーサポートが増しにでもならない限りはHotToys製品は買わないであろう。


(abcxyz)

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