美しく高品質なレザーショルダーバッグ「Satchel & Page Port Tablet」レビュー。


高品質なレザー製品を作るSatchel & Page。以前同社がKickstarterキャンペーンを行っていた時に、「Port 13”」サンプル品を提供頂いてレビューした。だが今回はサンプルレビューなどではなく、実際に先日購入したSatchel & Pageの「Port Tablet」をレビューしていく。



(KickstarterプロジェクトのPortシリーズ紹介動画)

Satchel & PageのPortシリーズは2017年にKickstarterでローンチしたもので、後に一般販売された。バリエーションは、今回購入の「Port Tablet」の他に、内蔵できるラップトップのスクリーンサイズにより「Port 11"」、「Port 13"」、「Port 14"」、「Port 15"」が存在する。Port Tabletはその名の通りタブレット用に作られたもので、9.4ワイドタブレット(かそれ以下のサイズのタブレット)にスマートタイプカバーを付けた状態のものを内部のタブレットポケットにしまうことができるというもの。

だが私がこれを購入したのはタブレットを入れるためではなく(以前持っていたNexus 7 2013などは売り払ってしまった)主に @skybambi などに影響されてインスタ映えする(笑)スケッチ道具などを入れるのにちょうどいい大きさのレザーバッグが欲しくなったためという浅はかな理由。

外側



ロゴ入りの黒袋を開けて出てきたPort Tabletを見てまず気づいたのは、レザーの質感が以前レビューしたプロダクトサンプルとは違うということ。レザーの肌の目がより細かくなっており、肌触りもより柔らかくスベスベになっているということ。そして、Port 13サンプルではレザーのにおいも強めだったが、こちらのPort Tabletはそこまでレザー臭がしないということだ。

以前レビューしたサンプルに使用されているレザーは、製品版のものとは違うということそのものは当初から知っていたので驚くことではないが、質感がより良くなっているのはうれしい驚きだった。このレザーの違いもあってか、取っ手部分は比較するとだいぶ柔らかく感じるようになっている。


ジッパー部分もサンプルと異なりYKKになっている。YKKのジッパーは世界的に有名で私も質が高いと感じているのだが、Port Tabletに使われているものは、サンプルに使われているYKKではないもの(ブランド不明)と比較して動きが重く、ガリガリ感が大きい。


付属品は他のPortシリーズと共通の取り外せるインサート「Venture」と、取り外し可能なショルダーベルト。ショルダーベルトのレザーはなぜだか堅い。使っていくうちに柔らかくなると良いが。Ventureにもレザー質感やジッパーメーカーの違い以外に微妙な差異が見られた。サンプル品ではボタン式のケーブル/ペンホルダー部分が、ただ単純にレザー部品を縫い付けただけのものに変更されていた。コストを下げるためか、それともボタンの頭がほかの収納物を傷つけないようにするための変更かはわからないが、これは少し残念。


(Port 13サンプル品とPort Tabletとの比較。当然ながら小さい方がPort Tablet)

他のPortシリーズとPort Tabletとの大きな違いの一つは、外側にアダプタケースが取り付けられなくなっていること。取り付けるための部品を本体に縫うことが不可能なサイズではないものの、そのためには本体外側に補強部材を付け足す必要もある。本体が小さいためこれが難しいということもあるだろう。補強部材の上にループ部材を縫い付けて、その間にアダプタケースを取り付ける仕組みになるため、本体サイズが小さければそれだけこの部分の比率が大きくなり、そうすると美しさの面でも損なわれるということも一つの理由かもしれない。

内側



内側は両面とも茶色のレザー部分が大きい他のPortシリーズと異なり、Port TabletとPort 11は開けたときにタブレット/PCポケットとは反対の側には大きなポケットがなく、そのため内側のオレンジ色のレザー部分がそのまま見え、そこに茶色いレザーのペンホルダー類が直接縫い付けてある。


タブレットポケット部分は、内側は柔らかく起毛したスエード(?ヌバック?)となっている。ポケットの長辺部分からタブレットを滑り込ませるようになっており、ポケットの表にはより小さなポケットが二つとボタンで留めるケーブル/ペンホルダーが。この小さなポケットとボタン式ホルダーは元々は片方のポケットにSatchel & Pageのロゴの入ったモバイルバッテリーを入れて、上からでたケーブルをケーブルホルダーで留めて、隣のポケットに入れたスマホを充電することを想定されてつくられたもの。


ポケット短辺の片側はU字状の切り込みが背面に縫い込まれ、もう片方の短辺はポケット内に入れるものの分厚さに合わせて膨らむようプリーツ(pleat)状になっている(これは複数の部品でできているからプリーツとは呼ばないんだろうが、こういった部位の名称をなんて言うのか知らないので見た目と機能の類似性からここではプリーツと呼んでいる)。


U字状の切り込みは謎。ポケットの短辺の中心部分にあることからは、もしかしたらこれは元々タブレット充電ケーブル用に用意されていた部分なのではないかと疑うことができる。それと同時に、反対の面にプリーツがあることから、U字状の側に行くにつれてレザー生地がすぼまる形状になっており、(タブレットがないからなんとも言えないのだけど)移動の最中にタブレットがポケットの中で暴れないようにするための仕組みと考えることもできる。もし暴れないようにとここを直線で縫ってしまうと、タブレットを取り出すときに指を入れるスペースがなく取りづらくなってしまうのだろう。だがこの場合、U字状のある側のタブレットポケットの底部分には、もし小さなものが入り込むと取り出しにくい無駄な空間が生まれるようにも思える。どうせならL字状に切り抜いて、切り抜かれた部分にもペンホルダーをつければ良かったのにとも思う。

もしかしたらやはり専用モバイルバッテリーからタブレットを充電するための穴だったのではないだろうか。タブレットの必要電圧がモバイルバッテリーの給電電圧よりも高いとかだったりするのかな。憶測に過ぎないけど。


もう一方の側はループ式ペンホルダーふたつとボタン式ペン/ケーブルホルダーみっつ、カード入れ4つと大きめのポケット一つ。

まとめ



以前サンプルをレビューしていることもあって、比較してしまう部分が多かった。比較としてはやはり使用されているレザーの質が向上しているのが大きな点だろう。一方で分厚いものを入れることができず、内部に入れるものが全体で均一な厚さになるように調整しないといけないのはサンプル版、製品版関係なく、またPortのサイズが大きくても小さくても同じことのようだ。

レザー好きかつ、自分でもレザー細工をすることもあって細々とした難癖をつけた感があるが、全体的に統一された美しさ、シンプルながら使いやすいボタン式のケーブル/ペンホルダー、つけ外しが容易なインサート(まあ他社も同様のマグネット式インサートを出しているところはあるが)による便利さは流石だ。

Portシリーズのように完全に開けるポートフォリオ/スーツケースは、中に入っているものが一目でわかり手に取ることができるので、開いた空間がそのままオフィスになるような、そんな便利さがある。


(abcxyz)

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