Kickstarterで出資した:ポータブルバッテリー?いや、ポータブル・ガス発電機。ライター用ガスを燃料に出来る「kraftwerk」

Kickstarterで現在資金を集めている「kraftwerk」というプロジェクト。手に収まるサイズでUSBプラグがついていて、そこからスマホが充電できる。なんだ普通のリチウムイオン電池かと思われるかもしれないが、実はこれ、ガスを使っている発電機。

Microtublar metallic fuel cell(微小管金属燃料電池)とガスの反応により電気を作るんだそうだ。





たったの3秒でガスを中に注入。iPhoneを11回充電できるという。

サイズと重さは:
・約100mm x 75mm x 30mm (=225000)
・空だと160g、中いっぱいにすると200g

似たようなサイズのリチウムイオンバッテリーで 12000mAhほどのものだと5回ほど充電できるとされているので(どのバージョンのiPhoneかにも依るんだが)、これで11回充電できるというのはサイズ/重さ比率として考えると悪くない。

比較として手持ちの「cheero Power Plus 3 13400mAh」を例に出すとこんな感じ:
・サイズ:92x80x23mm (=169280)
・重さ:245g

kraftwerkの難点を上げるとUSB出力がひとつしか無い点だが、USBハブなりをつけることも可能だろう。

出力は継続的に2W、ピークパワー(?)は10Wだそうだ。出力ボルテージは5V。使用環境の温度は-15度から+55度。別に防水とは書いていないが、アウトドアでもインドアでも使えるとされている。

燃料となるのは、ライター用のガス、キャンピングガス、ブタン、など。出資価格によっては、電力をガス燃料に変える方法(P2G, Power to gas)で生み出されたLPガスが入った缶も貰える。『東洋経済オンライン』の記事「シェール革命で日本のLPG価格は下がるか」によれば、日本でのLPGの国土カバー率は100%となっているそうで、東日本大震災後の復旧も、電気や都市ガスよりも早い4日でできたそう。(まあLPガスのカバー率が100%でも、早く復旧しても、ガスボンベの中に入っていたんじゃあkraftwerk用には使いづらいだろうが)どちらにせよ、ライター用のガスを手に入れるのは難しく無いだろうし。

バッテリーと比べた際の利点としては、容器の気密性が高ければ何ヶ月も持つという点もある。

ガスを電気に変える効率性がどうかは分からないが、例えばガス発電所で発電した電力を家庭まで運ぶには送電の際にロスが生じるから、もしかしたら直接こうして発電した方がロスが少なくてエコかもしれない。(ちなみにCheeroのサイトによればリチウムイオンバッテリーからUSB出力する際にもロスが生じ、実際に使えるのは60~70%だそうだ)

そしてガスを使って発電するこのkraftwerkもまた、そういった発電所と同じく水蒸気と二酸化炭素を発生させる。有害物質は出ないそうだ。他に出るものとしては音と熱;使用時には小さな音がするそう、多少本体も暖かくなるようだが、オーバーヒート防止装置も付いているとのこと。

航空機内にもガスが入っている状態でも持ち込める事ができるとのこと。機内持ち込みの国際基準に適合するようデザインされ、テストされてるそうだ。

資金集めが終わるまで28日を残し、目標金額50万ドル(約5862万円)の倍近い約99万ドル(約1億円)を集めている。


父が、「昔(ポータブルな?)ガス発電装置をカシオが出してた」と言っていたが、ちらっと探した感じでは見つからない。そんなのあったのかな。


(abcxyz)

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