ミニマルデザインにスマートな充電機能、スタイリッシュなラップトップバッグ「LAER」




Kickstarterプロジェクト「LAER: A Laptop Sleeve To Charge All Your Devices」。ぱっと見ラップトップ用のスタイリッシュなケースだが、中にはバッテリーが内蔵されている。でもそれだけじゃないのがLAERの凄いところだ。







「仕事に必要なのはスマホとパソコンだけ」という人が、外で仕事をするときに必要なものは何だろうか?もちろんスマホとパソコンは持ち運ばないといけない。スマホはポケットに入れられるとして、パソコンを持ち運ぶにはケースが必要。容量の大きめなバッテリーもあった方がいいし、無ければ充電アダプターもいるだろう。それを一つで解決するのがLAERだ。

パソコンケースとしてミニマルな形状に見えるこのLAERは、実は薄いバッテリーも内蔵されている。その美しい形状を保ったまま、パソコンを収納した状態で充電することが可能だし、スマホをQIでワイヤレス充電することも可能だ。

動画では少々わかりにくいかもしれないがLAERは三つのパーツで構成されている。一つは充電機能のコアとなる「インサート」。二つ目はそれとパソコンを収納できる「スリーブ」。三つ目はスリーブごと入れ込むこショルダーストラップとモバイルポケット付きの「スリングバッグ」



インサート






まずはLAERの、そしてこれを生み出したブランドARROEの将来の核ともなる「インサート」について紹介しよう。

インサートについている端子は、QuickCharge 3.0対応のUSB-Aと、ふたつのUSB-Cポート、そしてQIワイヤレスチャージャーにDCポート。DCポートは、これを利用してMicrosoftのSurfaceの充電やMagSafeを利用したMacの充電が可能な端子が用意されている。同時に3デバイスを充電可能。それ以上も同時充電できないことはないが、充電速度は落ちるとのこと。

インサートについているバッテリーは取り外しができる。これにより、バッテリーが寿命を迎えても取り替えることができるだけでなく、取り付けれるバッテリーは5000mAhのものと20000mAhのバッテリーが用意されており、状況により使い分けることが可能。インサートに取り付けたバッテリーの充電はインサートのUSB-Cポートから行う。

大抵のモバイルバッテリーにはバッテリー残量を示すインディケーターがついているが、これにはついていない。その点は残念な気もするが、その替わりにバッテリー残量の確認はモバイルアプリから可能になっている。モバイルアプリからは残量確認のみならず、それぞれの端子からの出力のオン・オフもアプリから可能なのは面白い。

そして、インサートにはTrackRも内蔵している。TrackRはBluetoothを内蔵したモノで、スマホとペアリングしてBluetooth圏内にあれば双方の場所を検出できるほか、TrackR利用者が多い地域では「クラウドGPS機能」により、Bluetooth接続圏外でも場所の特定が可能だというモノ。TrackRはキーホルダーに付ける形などで単体でもTracR bravoなどとして販売されているが単体ではバッテリーの持ちもそこまで長くないことが問題だった。最近はLAERのようにバッテリーのついた機器に内蔵される使われ方をされることで、この問題を解消しているようだ。



スリーブ






「スリーブ」もパソコンとインサートを収納するだけではなく面白いデザインとなっている。

内部には15インチのラップトップまで収納でき(正確な寸法は38x26x3cm)、生地中にはフォームも入っておりパソコンとインサートを守る他、内部の生地は柔らかく、パソコンを傷つけない。そんなのはパソコンケースとして当然なことだが、このスリーブにはそれ以外の工夫もある。スリーブ表面には丸い形が施されているが、この部分はQI充電時にスマホを置くべきところであることを示している。





また、インサートにケーブルを挿し、デバイスに接続しで充電を行う際にもスリーブが開けっぱなしにならないで済むような工夫がある。スリーブの口は磁石で止まるようになっているのだが、閉じた状態よりも少し口を上にずらした位置にも磁石が内蔵されている。この位置にスリーブの口を止めることで、スリーブ上部が完全に開かないまでもケーブルが出る隙間が確保される状態をつくることができるのだ。こうしてスリーブの外にケーブルを出して充電することも可能だし、この状態からケーブルを一切外に出すこと無く、スリーブ内部に収納したパソコンを充電することも可能だ。




スリングバッグ






スリーブ中に必要なものを全部入れることができたなら、「スリングバッグ」で肩掛けスタイルにして出かけることができる。

スリングバッグもまた、ただスリーブに肩掛けを付加する以外の機能がついている。例えば前側中央にはちょうどQi充電できる位置にスマホポケットが用意されているし、後ろ面にはコネクタを入れるためのポケットがある。





そして、飛行機での移動の多い人にとっては、スーツケースの取っ手の間に通すことのできるラゲッジ・ストラップがついている点も嬉しいだろう。機内持ち込みサイズのスーツケースに服その他を詰め込んで、スーツケースにスリングバッグを通していれば、保安検査の時にパソコンだけささっと取り出して提示して、機内に乗り込む時にはスーツケースを頭上の荷物入れに収納し、スリーブは(肩掛けしたままであれば文句は言われないはずだが)座席ポケットか前の座席の下に置けば、離陸後ベルトサインが消えてからすぐにパソコンを使うことができる。







「クラウドファンディングプロジェクトへの投資というのはあくまでも製品化に向けての支援の投資であり、製品化に際する問題などにより予定発送日に遅れることは多々あるし、最悪の場合なにも届かないこともあるということも心に留めて、投資の際には自己責任で」・・・というのはお決まりの文句だが、LAERプロジェクトクリエイターであるARROEによれば、このブランドはクラウドファンディング後にもLAERを同社サイトARROE.coで販売する予定だという。LAERが気に入ったが、クラウドファンディングに手を出すのは気が引けるという人は、プロジェクトが終わり製品化が無事済んだ頃合いを見て公式サイトを訪れてみると良いだろう。

ARROEのマネージング・ディレクターであるEoinが当ブログに語ってくれたところによると、ARROEは他のファッションブランドや鞄ブランドと提携して、ARROEのインサートに対応したバッグを制作する予定だそうだ。それにより、同じインサートの技術を様々な種類のバッグで使えるようになるというわけ。なお、LAERに関してはオンラインサイトや店頭での一般販売は2018年の4月からを予定しているという。

Kickstarterで生まれ、成功し、大きくなっていったブランドも様々あるが、ARROEも今後の発展が楽しみなブランドとなりそうだ。




Image: ARROE

Source: ARROE, Kickstarter

(abcxyz)

コメント