ゲームレビュー:美しい白黒世界で重力を利用し進むユニークなプラットフォーマー『OVIVO』

この記事はIzHardより『OVIO』Steamキーの提供を受けてこの記事を書いている。

今回レビューするのはサンクトペテルブルクを拠点とする3人の若者によるゲーム会社IzHardが送るゲーム『OVIVO』。この『OVIVO』はMicrosoftの学生向けコンペ、「Imagine Cup 2015」でゲーム部門において優勝、それにより本作の開発費を得て完成したものだ。




これが本作のプレイ画面。文字はなく、移動する場所であり、床であり天井であり、壁であり障害物でも危険物でもある空間が、白と黒で描かれている。

プレイヤーの操ることになるボールからアンテナの突き出た形状の物体にできることはあまりない。左右の移動と、白と黒に別れた空間を行き来することだけだ。左右の移動も少しの坂で進めなくなる。そんな弱々しさのある存在だが、重力や慣性を持って別の色の空間と接する際にスペースキーを押すことで、白黒の空間を行き来することができる。そうすると重力の方向が変わり、これを利用してステージを進んでいく作品だ。

百聞は一見にしかず。動画を見てみよう。





動画はIzHard Team | OVIVO gameより。

この黒と白の面を行き来することで加速をつけてタイミングよく移動していく。最初のうちはそのシンプルな仕組みを純粋に楽しむゲームだが、先に進むに連れて主人公が乗ることで作動する要素や、左右逆転や重力逆転などが起こる部分も出てきて、人によってはなかなかの手応えを感じることができるだろう。

チェックポイントの配置は絶妙で、失敗した時に、失敗するほぼ直前の部分からやり直しができてストレスは溜まらなかった。重力の掛かる方向の違う2つの色で構成されたマップの形は複雑になっているが、進行方向は悩むことなく直感的にわかるのは凄いところ。その点もチェックポイントの配置のお陰で、ある地点で迷子になって「あれ?こっちかなー」と様々な方向に移動してみた時に、正しい方向に進んだ際にはちゃんとチェックポイントが更新されているので、長時間迷子になることもなかった。タイミングを合わせないと行けなかったりする部分もあったが、一通りクリアするのは2時間程度。所々に集めるべき要素が存在したりもするので全実績を解除するまで楽しもうとすればもう少し時間がかかるかもしれない。




卵巣と子宮を模したようなプラットフォームに乗ったりも。




上の画像はステージ全景。動画でも最後のあたりで視界が引いてステージの全景が写るシーンが見れるが、それもまたこの作品の面白い所の一つだろう。白と黒で表現されたステージ上には、魚や狼などの自然の要素から、ミケランジェロの「アダムの創造」やムンクの「叫び」などの有名絵画まで、様々な要素がプレイ中に見える。しかし、ステージをクリアしたときに写る全景は、今まで通ってきたステージがより大きな作品の一部となっている姿を見ることができる。プレイ中にそこかしこに秘められたメッセージ性を読み取り、ステージ全景を見つめながら考えるのも面白い。

白と黒のモノクロームな世界が構成する、直感的に進むことができるが美しいマップ、シンプルながらも爽快感のある操作性、そしてBrokenkitesが担当する美しい音楽が相まって小粒ながらも上手くまとまった作品となっている。

『OVIVO』はSteamで5月12日より発売

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