2017年9月19日火曜日

ドイツの便利文房具Rollgutをしばらく使ってみた

先日レビューをお伝えしたRollgutプロトタイプ、今のところ毎日使っている。
*写真の紙に皺が多いのは、すでに印刷してある紙の裏に描いているからであり、Rollgutに入れることでついたものではない。





しばらく使用しているが、やっぱり便利だ。今回掲載している写真では全てRollgutの中に、110gsmの紙が4枚と、6枚の70もしくは80gsmの紙を入れた状態のもの。平らな表面が無くても自分の使い方なら問題無く使えている。上の画像と下の画像の絵は両方ともRollgutの下に何も無い状態で、手を支えに絵を描いたもの。








スケッチブックと違って面積は取らないのは大きな利点。夏服にはさすがに入らないものの、今着ている秋物の服ならポケットに入る。スケッチブックならこうはいかない。





私の場合は、Rollgutの下に手を添えて紙を安定させて絵を描いている。ペンが触れたときに紙が曲がらない程度の安定性さえあれば絵を描くには十分だ。上の写真もそうして描いたもので、銀色の手すりにはRollgutを載せているのでは無く、左手を載せるために使っている。

好きな枚数の紙を持ち運べるのも利点。スケッチブックを持ち運べば、自然とスケッチブック内の全ての紙を持ち歩くことになる。Rollgutなら必要な紙だけ持ち運べる。白紙だけで無く、自分の絵に興味を持った人に見せるための作品も入れ込んでおくのもいいだろう。





ただ、たくさんのペンを持ち運ぶという人はやはりこれとは別にペンケースなどが必要かもしれない。通常よりも大きなペンも入らない。呉竹の筆ペン(赤いペン)は入ったがぺんてるのペンは大きすぎる。





分厚い紙ばかり入れてRollgutを巻いたまましばらくすると、Rollgutを開いた状態でも巻かれたままとなる(上写真左)。そんな場合はRollgutの裏表紙ごと机の角に数回紙をこすればこの程度に戻る(上写真右)。





A4の紙も、折り目がついてもよいのであれば入れることができる。今後も使い続けることだろう。


Kickstarterキャンペーンはあと14日を残し46%の資金が集まっている。





(abcxyz)

2017年9月16日土曜日

Satchel & PageのPort 13"にいろいろ入れてみた






バッグの楽しみの一つはものを入れること。ここにこれを入れて、それともこっちにあれを入れようか・・・バッグによって入れるものを変えたりするのも一つの楽しみだ。

先日、Satchel & Pageが送ってくれたプレ・プロダクション品のPort 13"をレビューした。レビューでは、マカーではないのにMacBook Airやそのアダプタを入れて、きちんと入るかどうか試してみたが、実際に自分が使う装備を入れて、外で仕事してみた。

レビューでは13インチのMacBook Airを入れて写真を撮っているが、実は私がメインで使っているラップトップは10.8インチのSurface 3。もちろんMacBook Airと比べれば13インチ用のラップトップ用に作られたPort 13"のラップトップポケットは大きすぎる感はある。だがSurface 3を入れてPortを持ち歩いても特段中でSurface 3が動き回る感じはしない。






Portには、分厚いものは入らないから、「如何にして必要なものを全て入れ込むか」を考えるには、入れ込むものの分厚さも関係してくる。なるべく薄い装備を選び入れるのが良いだろう。外側の取り外し可能なポケットには、分厚さがあるためと、Portをわざわざ開かなくてもスマホのバッテリーを充電できるようにcheeroのPowerPlus3を入れている。






付け替え可能なインサートが中心部分に来るため、どうしても真ん中が分厚くなってしまい、Portの脇の方は4辺ともスペースが空く感じ。空いた隅にGoPro Sessionに、Kickstarterで出資して入手したジンバルSmoovieを付けた状態のものを入れてみた。手前側の灰色の塊は、モンベルのレインウェア「バーサライトジャケット」。最近雨がよく降るし。








インサートには元々Kickstarterプロジェクトとして生まれたNotabagを入れた。これは、「薄いものしか入れることができない」というPortの欠点を補うために必要なもの。







Portに入れるには、内部にまんべんなくものを入れないといけない。そうしなくても入れることはできるし、閉めることもできるが、上の写真のようにでこぼこになってしまう。一時的にでこぼこであることは問題無いだろうが、革は柔軟性をもっているだけでなく、変形する/形を変えたままでいることができるという性質も持つ。このようなでこぼこの状態で注意しなければいけないのはそれだ。レザー製の鋏(ハサミ)ケースで、レザーがハサミの形ピッタリにカーブを描いたようなものを見たことはないだろうか?あれは、レザーに水を含ませて、型に押し当ててレザー生地を伸ばしたまま乾燥させたものだ。つまり、この上の写真のような状態で、雨なのでPortが水を含んでそのままの状態で乾燥すると、この不格好な形のままになってしまう。そうしないためにも内部に均等にものを入れることは大切だ。





内部のインサートが磁石でついていることは、内部にものを入れるときの選択の幅を広げている。アドオンでその他のインサートを購入せずに、インサートが一つしかない状態でも、インサートを入れないという選択肢がある他に、インサートを入れる際には向きを逆にして入れることも可能なのだ。






結局いろいろ試してみたものの、インサートがPortの中央に位置していることが起因して、Port中心部が膨らんでしまうことが避けられなかったので、インサートを抜くことにした。(これがPort 13"であることもその理由の一つだろう。より小さいサイズのPort 11"やPort Tabletであれば、中に入れるインサートの大きさが変わらないため、より全体的に膨らむはずだ。)

そんなこんなで、今のところは上の写真のような状態にしている。

・Microsoft Surface 3(メインのパソコン)
Mogic Power BagelAsa Linによるデザインのコンセント延長ケーブル+USBポート+トラベルアダプタ)
Rollgut(厚手のスケッチ用紙20枚とペン4本。厚手20枚で巻いた状態だとPortには太巻き過ぎるようなので、開いた状態で入れている)
・携帯ラジオ(パナソニックRF-NA17RA。スピーカーとイヤホンを内臓していて便利。おじいちゃんはこれによく似たソニーのやつを使っていた・・・)
・カロリーメイト(チョコレート味で2本入りのヤツ。カロリーメイトの良いところは、箱のおかげでナカミが潰れてボロボロになりにくいこと。ソイジョイなんかは災難だ。)
・のど飴(いつも帰国時に大量に買う大正製薬Vics梅味。今の季節のフィンランドは空気の乾燥もあってか喉がイガイガしやすい時期だ)
・iPod Nano 6th gen(実はPortにわざわざ入れるほどには使っていないが)
・イヤホン(妻のiPhoneについてきたやつ。外で仕事するときとかにSurface 3に刺す他には使っていない)
Ultimate Survival社のStar Flash Signal Mirror(主に手鏡として使っているが)
Fenix E05 R2(単4型乾電池一本で使える懐中電灯。手に入りやすい乾電池式の懐中電灯でこれよりも小さいものに私は出会ったことがない。頭を捻ってオンオフするタイプなのでプッシュスイッチ式と違って間違ってつくこともない。しばらく前までは腰に付けたバッグに常備していた。現在はより新しいE05 XP-E2というのもあるようだ)
・無印良品の救急絆/綿棒ケース(乗り物酔い止めや、痛み止め、救急絆を常備している。痛み止めは私は使ったためしがないが、友達が生理の時や頭痛がひどいときなどにあげたりする)
・扇子(まだ秋の初めで微妙に暑いときもある)
・Notabag
・ガイドするときに使う地図多数
・モンベルのレインウェア「バーサライトジャケット」(昨日も雨でお世話になった)

これに加えて外側の取り外し可能なポケットに

・Cheero PowerPlus3
・USB - USB-Cケーブル

を入れている。そうして閉めた状態がトップの写真である。中心部分が膨らみを帯びているが、記事中盤の写真のようにでこぼこした状態にはなっていないことがおわかりだろう。

なお、Satchel & PageによるPort seriesのKickstarterキャンペーンは前回の記事の後も順調にバッカーを増やし、現在では締め切りまで6日を残し目標金額の2300%以上の資金を集めている。






(abcxyz)

2017年9月15日金曜日

プロトタイプレビュー:紙と筆記用具をミニマルに持ち運ぶドイツの文房具「Rollgut」




Kickstarterプロジェクト「Rollgut: Bring your thoughts to roll」。「丸める」ことにより、最小限の大きさで紙と筆記用具を持ち運ぶことができるそのデザインの素晴らしさについては先日ご紹介した記事でお読み戴きたい。今回の記事はRollgut社創設者のThomas Sommer氏がレビュー用にとRollgutのプロトタイプを送ってくれたので、そちらを実際に使用したレビューだ。



Rollgut






Sommer氏によれば、こちらのRollgutはプロトタイプの中でも初めに作られたもののひとつで、すでに1年近く使い込まれたもの。外側の素材はセルロースから作られたヴィーガン・レザーだ。他にプロトタイプとしての注意点としては、このプロトタイプに使用されている木材は実際に製品に使われるものとは違うと言うこと。




おしゃれに封蝋した箱に入って送られてきた。封蝋格好いい。





実際に手にしてみると、プロジェクトページでは気づかなかったディテールが見えてくる。





私が以前書いた内容にも間違いがあったので訂正したい。以前の記事で「巻いた側に爪のように差し込む」ことでRollgutを巻き閉じると書いていたが、正しくはゴムの先についた留め金の部分が金属製の棒状となっており、それをゴムの根元の生地側についた爪に引っかけることで閉じるようになっている。ゴムの張力でこの金属の棒が爪部分に引っかかっており、これを親指でスライドさせることで開くようになっている。





私は鉛筆ではなくペンで描くことが多く、ペンも変わったものや少々太めのものを使うのだが、それでもこれらの4本を入れて巻き取ることが可能だった。このペンケース部分のスライド式のスリーブは、Rollgutを開いたときにペンが飛び出ないようにするという重要な機能を持っている。スライド式のスリーブも金属製で美しいのだが、ペンをギリギリまで詰めてスリーブをスライドさせるとこすれ合うことがあった。これはペンの材質にもよるだろうし、スリーブは必要なければスライドさせて完全に取り外すことも可能だ。なお、ペンが完全に入りきらなくても(例えばペンクリップ部分がはみ出しても)巻けてしまうのも素晴らしいところ。





内部には磁石が二カ所に訂正:4カ所に内蔵されており、ペンケース部分のスライド式に入れたクリップなどがこぼれ出ないようになっている。





コピー用紙程度の分厚さの紙が6枚入った状態で、布の敷かれたテーブル上で絵を描いてみたが、十分に普段の環境と変わらず描くことができた。普段はFoldermate(110gsm。gsmはgram per meter、メートルあたりのグラム数)やCansonなどのA5サイズのスケッチブックにそのまま(下敷きなどは使わず)描いている。特にペンが沈むことも無かった。もちろん、(私の場合は普段の環境でもそうなのだが)下敷きを使っていないためにあまり力強く描くと下の紙に跡がついてしまう。





今日の手持ちのCansonのスケッチブックは紙が少し分厚めで、「120g/m2(平方メートル) 73.7 lb」のもの。この紙を6枚挟んでみたのがこの写真、前述の「コピー用紙程度の厚さの紙」とは違うもので、そちらと比べると大分分厚い感じだ。分厚い紙を入れるとその分描くときにもしっかりする。

ちなみに、Rollgutに挟める紙の枚数はこの紙の分厚さ/重さによる。Sommer氏はその計算のための公式も教えてくれた。

With the formula:
maximum sheets = 4000 / weight of paper per qm

You come up to:
4000 / 160g/qm = 25 sheets

この例では160gsmで計算して、25枚挟めるという答えに。上記Cansonの120gsmだと33枚、Foldermateの110gsmだと36枚まで挟める計算だ。なお、普通のコピー用紙は60から80gsmなので66枚から50枚挟めることになる。このことからはRollgut公式による「50枚まで挟める」という計算は80gsmの紙の場合と言うことがわかる。





Rollgut側面のブランドロゴ「R」が彫られた部分の中心がクリップのボタンとなっており、これを押すとクリップが開く。数枚の紙だけ入れるときには問題無いが、クリップはあまり大きく開くことはないので、紙を入れ込むときにはボタンを押してクリップを開きつつ、他の指でクリップを広げて紙を差し入れる感じだった。





クリップはバネで閉じられている。紙をクリップする部分は波状となっており、優しく紙を挟み込む。





一番下に挟んだ紙の裏側に挟まれた跡がつくのだが、ほとんど見えない程度。





入れ替え式のリングノートであればリングを通す穴を開けなければ使えないが、これならどんな紙であってもA5サイズであれば挟める。必要事項をメモした紙を挟むこともできる。私はツアーガイドをすることもあるのだが、ツアーに関するメモや地図、チケットなどをRollgutの中に巻き入れても便利だと思った。ツアーに応じて「デザインツアーだからデザインに関するメモを挟む」とか、「建物の建築家と建築年をメモした紙を挟もう」とか日によって入れ替えて使うのだ。

手紙と封筒、切手とペンを入れて旅行に持って行って、旅先から家族や友達に手紙を書くなんて使い方も良いだろう。A4の紙だって半分に折れば入れることができるし、前の記事に書いたように裏が白紙の紙/スクラッチペーパーを入れるのも良いだろう。





巻かれた紙は、もちろん巻き癖がついてしまう。しかしこれは、Rollgutを展開した状態では、ロールカバーのクリップでは無い側の端を、カバーの隅に挟み込むことで解決している。カバー生地の自重で開いた状態を保てるのだ。





この巻き癖はもちろんRollgutから紙を取り出したときにもついた状態になるのだが(写真左)、「Rollgutの外側をテーブルの縁に当てて2回引く」と紙がまっすぐになるとSommer氏はプロジェクトページコメント欄に記している。確かにそうすることで巻き癖は大分解消されるが(写真右)、完全に無くならせるのは難しい。





どちらの写真も右に写るのはFoldermateに20枚紙が入り、リング部分にペンを一本刺したもの。左はRollgutにFoldermateから取り外した紙を20枚入れ込み、4本のペンも中に収納したものだ。





注意として、分厚い紙をたくさん巻く場合は、上の写真のように隅の三角コーナー部分に紙を入れないこと。20枚入れて最後まで巻こうとすると、このコーナー部分に紙がつっかえて、上の5枚に皺が寄ってしまった。コーナーに紙を入れずに巻けば、皺を付けることなくFoldermateの110gsmを20枚巻くことができる。





Sommer氏によれば、Rollgutの唯一の弱点は、空中ではこれを扱いづらいということ。確かに、通常のクリップボードであればテーブルが無いところでも片手で持ってメモを取ることができる。しかし、実際の世界は、テーブル、壁、床、カバン、スマホなど、平らな面に溢れている。





(写真はバスの窓を下敷きにしているところ)

Rollgutのデザインの取捨選択の過程を紹介する公式サイトのページ言われているように、本、ラップトップ、そして「自分の膝」だって立派な下敷きになる。このように下敷きの機能をRollgutに含める代わりに、周りのありふれたもので代用させるという選択は、もちろんRollgutという製品から多機能を削ったかもしれない。しかしその代わりに得た軽量さと携帯性の良さこそがこの製品の本質であり、利点だ。(ジャンルが違う物ではあるが、例えばPeak Designのバックパックは軽量さを犠牲に多機能製が詰め込まれている。)

なお、Rollgutの公式ウェブサイトには開発までのデザインの過程も公開されているのでデザインに興味のある方は見てみると面白いだろう。





なおヴィーガン・レザーは引っ張ってもなかなか形は変わらず、爪でひっかいても跡は残らず、撥水性もある。環境に優しく面白い素材だ。



終わりに






(ヘルシンキのレストランBelgeでRollgutを開き、客の絵を描くところ。牡蠣を食べに来たわけでは無いのだが、レストランが「simpukka viikko(shellfish week)」をしているとかで3種類の牡蠣のテイスティングを無料でサービスしてくれた。)


*繰り返しになるが、今回レビューしているものはプロトタイプ品であり、使用されている木材が異なる他、製品版と細かい部分が多少異なる部分もあるかもしれない、ということに留意戴きたい。

一日ちょっとRollgutを使ってみて思ったのは、やはりこれは便利だと言うこと。

全く巻き癖のついていない真っさらで完璧な紙に絵や文字を書かなくてはいけないという人には、Rollgutは向いていないであろう。なぜって、そのためにデザインされたものではないから。だが、あなたが私みたいに、いつでも、どこでも、思いついたときに、頭に浮かんだ考えを文字や絵で表現したいと言う人には、このコンパクトな筆記用具は欠かすことのできないものとなるだろう。


Kickstarterでは期日を18日残し43%の資金が集まっている。





最後にレビュー用にRollgutのプロトタイプを送ってくれたThomas Sommer氏に感謝を述べたい。



(abcxyz)