2016年7月11日月曜日

虫食は地球を救う。LivinFarmsのプロジェクト出資特典の虫を食べてみた。芋虫恐怖症だけど普通に食べれた。(動画あり)



「さっさと虫食の感想を教えてくれ」という方は下まですっ飛ばしてください。



LivinFarmsによるKickstarterプロジェクトThe Hiveをご存じだろうか?テーブルの上に置くモノで、アパートのような構造の中には虫が育っていく。卵から孵った虫がだんだん成長するに従い下層に落ちていき、一部は取り出しトレーに、一部は成虫となりつがい、卵を産み、また上層へと戻される。つまり自分で虫を育てることのできる虫のアパートだ。「取り出しトレー」が何かというと、これは虫を取り出して食べるときに使用する。

そう、LivinFarmのThe Hiveは、虫食を自給自足するための装置だ。





なぜわざわざ虫を食べるのか?という疑問はもうすでに語りつくされているし、ご存じない方はググれば自分に合った回答が見つかると思う。簡潔に述べれば虫は動物の肉を置き換えることのできる「タンパク源」だからだ。




日本では積極的に非肉食が薦められているようにはまったくもって見えないが、肉食は自己中心的な視点からしても、地球的な観点からしても良くないことだ。こういう言い方をすると、ただ肉食に慣れ親しんでいるからという理由で肉食の肩を持つ人が多いが、論理的に考えてもらいたい。

利己的な理由からは、2015年に報道されたので知っている人も多いかもしれないが、例えば癌に関して。国際がん研究組織(IARC)の発表を国立研究開発法人国立がん研究センターはこう解説している:

加工肉について“人に対して発がん性がある(Group1)”と、主に大腸がんに対する疫学研究の十分な証拠に基づいて判定されました。赤肉については疫学研究からの証拠は限定的ながら、メカニズムを裏付ける相応の証拠があることから、“おそらく人に対して発がん性がある(Group2A)”と判定しています。

 Group1に位置付けられたものは他に喫煙やアスベストなどこれまでに100以上あります。IARCではある条件下(たとえば事故や職業などの特殊環境下での大量曝露、地域特有の食事摂取状況)であっても発がん性の有無を警告する意味において行いますので (いわゆる“ハザードの同定”)、同じグループに分類されたものでも公衆衛生上のインパクトは要因の分布や疾病構造によります。要因が疾病に与えるインパクトを算出する疾病負担研究プロジェクトでは喫煙に起因する全世界のがん死亡は年間100万であったのに対し、アルコールは60万、大気汚染は20万、加工肉では3万4千人であったことが示されています。
また、動物を早く育てるためのホルモンの使用も人体にとって問題だ。(東洋経済Onlineの記事:米国産牛肉、「肥育ホルモン」の衝撃的な実態

世界的な環境を考えれば:

1.動物を育てるために食物を育てねばならない。そのために森を伐採し畑を作る。この畑で人用の作物を育てれば、例えばX人分(適当な数値)の食物となるが、牛を育てればY人(先ほどの数値よりも少ない)の食物にしかならない。

2.動物が大きいほど(牛とか)温室効果ガスであるメタンガスが発生する(燃料にできないこともないが)。

3.動物を育てるためにも暖房などでエネルギーが消費される。

などの点があげられるだろう。「動物がかわいそう」とかいう甘ったれた理由は私は好きではないのでスルーする。どの生き物だってほかの命をむさぼり生きていくのだから。

また、姉妹ブログ、空耳フィンランド語!の「フィンランドで菜食主義の人に会ったら言ってはいけないこと」の記事も参照してほしい。



私が虫食に興味を持った理由は、主に環境の面。肉食なんてこれっぽっちもかわいそうだと思わないが、食糧難になれば『ソイレントグリーン』も『生きてこそ』(人肉を食べ生き延びたというウルグアイ空軍機571便遭難事故をもとにした映画)も仕方ないと考えている。だが、そもそも世界が食糧難になる可能性があるとしたらとっとと牛・豚などの肉を食するのはやめるべきだろう。また、虫食の生育、輸送、加工にかかるエネルギーも肉に比べてずっと低いと考えている。

これまで虫食がメジャーになっていないのは、ただ単に虫に対して持っているイメージの中に「食べ物」であるという認識がないからだけだろう。例えば一部の人がナマコやウニ、白子(魚の精巣)、コブクロ(ホルモンのコブクロ、牛の子宮)、ホウデン(牛のペニス)、エスカルゴ(カタツムリ)、グルヌイユ(食用ガエル)、くさやの干物など、一部の人は普通に食べるが、一部の人はそもそもソレを食べるという考えがしないために食べることを躊躇するものと同じだろうと考える。

また、日本では昔から現在まで虫食が行われているし(イナゴ、バッタ、蜂、)、エビやシャコなどを食べることから、その文化を持たない国々と比較すれば比較的受け入れられやすいのではないかと思われる。






で、話をLivinFarmに戻すと、本当のことを言うとThe Hiveに出資して自分で虫を育ててみたかったのだが、「逃げ出したらどうするの」、「旅行中に死滅するでしょ」、「猫が遊んで…」などの理由から家の人からダメだと言われ断念。このプロジェクトの精神を支援するために「虫サンプル」が特典になっている金額枠で出資した。そして届いたのがこれである。

私は芋虫や毛虫に理性では抑えられない恐怖反応を示す。それらが道端に落ちているのに気付いた瞬間、文字通りのけぞり、飛びのこうとするのが私だ。そんな私が、節や足(体前方にいくらかついている)こそあれど、ほぼ芋虫に似た形状のモノを食べるとは思いもよらなかった。

「Microfoods」と書かれたプラスチックの容器に入っているのは、50g分のミールワーム(Mealworm)、釣り餌などに使われるゴミムシダマシという甲虫の幼虫だ。もちろん生きたままではなく、乾燥させて塩がまぶしてある。




加工はプロジェクト発祥の地のオーストリアでされている。栄養価表記は100gあたり:


カロリー:500 kcal
脂肪酸:37.2 g
塩:5g
炭水化物:5.4 g
繊維:6.5 g
砂糖:0 g
タンパク質:45.1 g

ちなみにGoogleで「牛肉」と検索すると、100gあたりこのように出てくる:

カロリー:250 kcal
タンパク質:26 g

「大豆」だと100gで

カロリー:446 g
タンパク質:36 g

と表示されるの。こんなちっぽけな虫なのに、こんなにカロリーとタンパク質があるとは、は驚かされる。なお、この記事執筆時のWikipediaの「昆虫食」の「栄養」項目によれば「生態学的に見ると、昆虫が食べた植物のエネルギーを体質量(ボディマス)に変換する二次生産の効率は平均40%で、魚類の10%や恒温動物の1 - 3%に比べ非常に優れているため、昆虫類は生態学的および経済的に効率の良い動物性蛋白質の供給源となりうる。」とのことである。




早速料理に入れて食べてみよう。キャンペーンに出資した時には、何度動画を見ても「虫の形のままだと絶対食べれないだろうな」と思っていたのだが、こうして瓶の中に乾燥したものが入っているのを前にすると、そこまで抵抗感がなくなってきた。ふたを開けると香ばしいかおり。桜エビとか、「かっぱエビせん」みたいなにおいだ。




だが、こうして料理の中に混ざった虫状のものはやはり違和感が…




出来上がった料理も(ライスヌードルとかトマトとかを混ぜたもの)、トマトの上にこれが載ってると「トマトに虫が湧いてる」ようにしか見えない…





でも一度口にすれば意外に先入観が抜けるものだ。これ自体の味はほぼ塩、塩がかけられた状態で瓶に入っているからだろうが、塩の味がする。風味はまさに桜エビ。そして、食感も乾燥した桜エビによく似ている。噛んだ時に節の食感があるところまで桜エビそっくりだ。なお、「貝類(Shellfish)にアレルギーのある人は昆虫類(insects)にもアレルギーがある可能性があるかもしれません」と書いてある。




当然完食。

というわけで、この記事を読んでも「ウゲー、こんな虫食べるなんてまじかよ」と思っている方も、意外と慣れれば違和感がなくなるんじゃないかと思う。




インパクトたっぷりなサンキューカードもついてきた。

なお、このサンプルは公式サイトから注文できるようになっているが、現在のところは売り切れとなっているが「Coming soon again ;)」とのことなので、興味のある人は要チェック、もしくはLivinFarmにコンタクトを取ってみるといいだろう。


(abcxyz)

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