2015年7月8日水曜日

どこの馬の骨のプロジェクトなのか見えない、ソニーの中途半端なクラウドファンディングサイト「First Flight」

猫も杓子も鳥取(で)もクラウドファンディングな昨今、ソニーもクラウドファンディングサイトを始めたようだ。First Flightがそれ。美しく情景的に写す感じのプロジェクト動画などでこぎれいにまとまっており、「Ready For?」とか「Camp Fire」などの日本のクラウドファンディングサイトのプロジェクトよりは少なくとも見た目はよい。

その一方で、各プロジェクトページの「Team」(プロジェクトを作ってる連中)のページからは、いったいどんな馬の骨が作ってるのか全くもって伝わって来ない。「First Flight」がある程度の信頼性をすでに確立してからでなければ、作ってる側にどれだけ信頼がおけるのかわからず、そんな輩が動画に出てきて挨拶をしたり泥臭く頑張っている様を映すこともないままに、ただ彼らが文章で約束するプロダクトコンセプトにお金が出せるだろうか?

朝日新聞デジタルの報道を読む限りではFirst Flightはソニーの「若手社員らの自由な発想」をヒット商品につなげるためのサイトだそうだが、First Flightのサイトを見る限りは「ソニーの社員の」などとは書かれておらず、First Flightの何たるかはこう説明されている:

First Flightとは、まだ世の中にない感動価値を提供したいという計り知れない熱い想いを胸に、無限の可能性に向け果敢に挑むチャレンジャーとそれに共感するサポーターたちが集い、夢の実現に向けて共創するためのプラットフォームです。

ソニー社員ならそうで「Team」ページに「これまでこんなもの作ってきたソニー太郎です、こんなチームで頑張ってます!」とか素性を明かして書いたり、動画に出てきて喋ったりすべきだ。それにソニーがプロジェクトをサポートしているのであれば(例:製品のプロトタイプにお金や設備が出ていたり。プロジェクト動画制作なりにソニーの広報/動画制作用チームが使われてたり、ソニーのお金が出ていたり。社員が勤務時間内にプロジェクトを行っていたり)、それはそれで悪いことではないと思うが、First Flightで社外の人が関わるプロジェクトは載せないのであればそう書くべきだし、社外のプロジェクトも入れるのであればそれは明確に優越的な状況にある社内プロジェクトとは区別すべきだ。

まだたった3つしかプロジェクトが存在しない中、7月2日12時に「25時間で」500万円以上を集めてプロジェクトを成功させた「HUIS」プロジェクトもそうなるとパブリシティースタントにしか見えない。

なので複数のクラウドファンディングサイトで多数のプロジェクトに出資してきた私にはFirst Flightは、怪しい、顔の見えない(比喩。「Team」ページに顔写真は出ている)人たちがお金をせびって商品を作りたがっているようにしかみえない。これがすでに商品として存在しているものを売っているのであれば、これはお店やウェブショップに出向き、どんな人間が製品を作っているのか知らぬまま購買することと同じだが、違いは「捕らぬ狸」まだ無いものを売っているところだ。商品の紹介動画は綺麗だが、先にお金を出す以上は信用性が必要であり、その信用性を現存する全プロジェクトが欠いている中途半端なクラウドファンディングサイトに見える。

現在のところプロジェクトとして挙がっているのは3つ。これらはある程度の面白さはあるが、とびぬけた面白さや奇抜さには欠けている。そういうアイデアを出さずに企業がクラウドファンドに手を出す意味はあるだろうか?



「MESH」





ドミノの駒(?)みたいな形でかわいらしい「タグ」。各色に別の機能があり、「ボタン」(押されることを認識)、「LED」(光る)、「振動/ジャイロセンサー」(動かして認識)、「GPIO(General Purpose Input/Output)」、専用アプリを使ってそれらを関連付けていろいろなことができるもの。なんだか似たようなものをKickstarterとかで見かけそうなプロジェクトだ。どうせならKickstarterで世界に向けてプロジェクトを打ち出せばいいのに。



「FES Watch」





文字盤のみならずベルト部分も電子ペーパーになっており、柄を丸ごと変えることができる。あえてデザインウォッチが好きな層を狙って、「スマートウォッチ」的要素を廃したのであろうが、それでも価格は2万9700円。時刻は常に表示されるわけではなく、「時計を見る動作」をするときのみ時刻が表示される。クラウドファンディングにお金を出す層と、この金額(それだけあればPebble Timeを買っておつりがくる)で成功するだろうか?



「HUS」





すでに成功しているプロジェクト。所謂学習リモコンに電子ペーパーがついていて画面も変えれるもの。Clieでよかったのに。




First Flight via 目指せ第2のウォークマン ソニー、若手の発想を製品化 [朝日新聞デジタル]

(abcxyz)

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